川崎競輪場は「競輪のメッカ」としてその名を轟かせています。
これは東京都心からもほど近い場所に位置することから入場者数が全国トップクラスであり、過去日本選手権を3回、オールスターを4回開催するなど、全国屈指の競輪場として知られていることに所以があります。
また川崎競輪場といえば、バラエティに富んだグルメが有名であり、煮込み・フライ・ラーメンといった定番メニューから、静岡競輪場のように寿司まであり、多くの競輪ファンの口を唸らせています。
そんな川崎競輪場において車券で勝利を得るためにはどうしたらいいのか?
その車券戦略を見ていきましょう。
川崎競輪場の特徴
川崎競輪場は、多くの観客が詰めかける反面スタンドが狭く、特別競輪・記念競輪を開催した時などは観客がスタンドに入りきれずに走路に溢れたり、隣接する富士見公園の一角に競輪場が位置することから、都市公園法によりスタンドの改修に法律上の制限があって、1960年代後半に入って特別競輪の開催が行われませんでした。
しかし2000年代に入ってからスタンドの改修等が行われ、2006(平成18)年には全面ガラス張りのバックスタンド特観席が設置され、メインスタンドについてもリフォーム・ガラス張り化が図られました。
さらに1センター側「西スタンド」の新築、老朽化した施設の撤去など改善・充実が図られたことから、2021(令和3)年に全日本選抜競輪が開催されることになり、1965(昭和40)年のオールスター以来、実に56年に同地で特別競輪が開催されることになりました。
毎年4月に開催される開設記念「桜花賞・海老澤清杯」は、過去幾多の名選手が優勝者に名を刻んだハイレベルの競走です。
過去には小橋正義(59期・岡山→新潟)、山崎芳仁(88期・福島)、村上義弘(73期・京都)、深谷知広(96期・愛知)、成田和也(88期・福島)などの面々が制覇し、昨年のKEIRINグランプリに出走した地元の郡司浩平選手(99期)も、2017年と昨年の2回優勝しています。
狙ってみたい選手の脚質
全国津々浦々にある競輪場ですが、それぞれバンクの形状が違っているので、自ずとどの脚質の選手が勝ちやすい、連に絡みやすいというのは違ってきます。
例えば500バンクの競輪場ですと、直線が長い分だけ追い込み選手が勝ちやすくなりますし、反対に333バンクの場合は直線が短いこともあって「逃げ」「先行」選手が有利になりやすくなっています。
ここ川崎競輪場は400バンクながら、かつてはカーブが急であったことや、見なし直線が短かったために「逃げ」「先行」型の選手がそのまま押し切るケースが目立ったようです。
その後走路の改修が行われ、カーブの角度を緩くしたことや、みなし直線を長くした結果(58.0m)、「捲り」「差し」の選手にも勝機が生まれ、「逃げ」「先行」型の選手が直線で後ろから差し切られる「ズブズブ」の展開になるケースが増えてきました。
これに加えて傾斜がキツいことから、インコース狙いの選手も多く、「イン待ち」「イン競り」した選手が上位に絡む展開もよく見られます。
また臨海部に近いことから海から風が吹きつけており、主にバックスタンド側に風が通っている模様です。そのためバックスタンドでは追い風の恩恵を受けても、最後の直線では逆に向かい風となるため、そうした影響を受けても対応できる脚力が要求されます。
実際に川崎における脚質傾向を見てみると
1着 | 逃40% | 追41% | 両19% |
2着 | 逃28% | 追55% | 両17% |
3着 | 逃22% | 追62% | 両16% |
「逃げ」「先行」選手の1着入着率の高さが目立ちますが、上記のことから追い込み選手も1着に入る確率が高くなってきました。走路改修の結果は徐々に表れているといえます。
狙ってみたい脚質まとめ
- 「逃げ」選手の番手に付ける「先行」選手
- 風が強い日は逆に「捲り」選手
川崎競輪場での決まり手
川崎における決まり手はどうなっているでしょうか?
S級・A級・B級すべてを含めたレース全体の決まり手を見てみると
1着 | 逃げ20% | 捲り33% | 差し47% | |
2着 | 逃げ15% | 捲り18% | 差し31% | マーク36% |
全体的には、走路改修前のデータも残っていることから「逃げ」戦法の選手が1着に入る確率が2割を記録していますが、近年「捲り」「差し」戦法の選手が有利になっていることもあって、これらの戦法の選手が1着に入る確率も8割に到達しているのが注目されます。
また2着についても「差し」「マーク」だけで7割近くを記録しており、やはり「逃げ」選手にとって有利とは言いきれないようです。
決まり手から買いたい選手
- 「逃げ」選手の後ろに付ける「先行」「捲り」選手
- 「逃げ」選手同士がやり合う場合は「差し」選手
川崎バンクの特徴
では実際に川崎バンクの特徴はどうなっているのか?
データを見てみましょう。
周長 | 400m |
みなし直線距離 | 58.0m |
センター部路面傾斜 | 32°10′14″ |
ホーム幅員 | 10.3m |
バック幅員 | 9.3m |
センター幅員 | 8.3m |
先述したように、ここ川崎競輪場は直線距離58.0mと400バンクにしては比較的直線距離が長く、カーブが緩めに造られているので「差し」「追込」選手も勝利を手にしやすい場所となっています。
ただし傾斜がキツくインコース狙いの選手が多いことから、単騎で戦うことを余儀なくされた「差し」「追込」選手は、むしろ軽視すべきでしょう。
また海に近いことから海風の影響を受けやすく、特に風が強い日などは、風よけの役目を果たす「逃げ」選手を買うのは控えたほうが無難でしょう。
バンクの特徴から考える車券作戦
- ラインで目標のある「差し」「追込」選手は積極的に狙いたい。
- 「逃げ」選手は風の弱い日に狙いたい。
川崎競輪場のレース成績から傾向を読み解く
昨年12月に開催されたF1シリーズ「日本名輪会C フラワーライン賞」。
決勝戦である第11レース。このレースを勝った大槻寛徳選手(宮城県・85期)は道中最後尾。ラインを組んだ嵯峨昇喜郎選手(青森県・113期)の捲りに乗って直線チョイ差しの1着。風速2mと少し風の影響もあったことから、捲り有利に展開したようです。7番車の簗田一輝選手(静岡県・107期)が逃げバテし、南関東ラインの選手達が行き場を失ったことも有利に働きましたね。
詳しくはJKAサイト「KEIRIN.JP」にてご確認ください。
川崎競輪場で勝つためのコツ
これまで取り上げてきたことをまとめると…
- 「逃げ」戦法は決まりにくい。「捲り」「差し」の選手を狙う。
- ただし、逃げ選手の番手に付ける「先行」戦法の選手は、抑えておきたい。
- 海風の影響を受けやすいので、当日の風向きには特に注意。
- 2着流しの車券を買う場合には、迷わず「差し」「マーク」の選手を軸に据えること。
狙うべき選手の脚質は明らかになりましたので、あとはいかにしてラインを読み解くか?よく考えて車券を買いたいですね。
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