競輪界のレジェンドである中野浩一さんがホームバンクにしていたことでも知られる久留米競輪場。全日本選抜競輪などビッグレースも過去には開催される競輪場で、地震の影響で2021年まで使えない熊本競輪の代替開催も行われています。
直線が平均的な長さなので、特徴をつかみにくいと苦手意識を持つ方が多いかもしれません。しかし、レースのグレードによっては、逃げの決まり手が結構多いという結果も。詳細なデータを基に、久留米競輪場の傾向と対策、特徴を探っていきます。
久留米競輪場の特徴まとめ
毎年6月に、記念競輪として「中野カップレース」が開催される久留米競輪場。1991年と2016年に全日本選抜競輪、2003年にふるさとダービー、2008年には共同通信社杯競輪が開催されています。
そんな久留米競輪場の特徴ですが、以下の3つの点が出てきます。
- クセがない平均的なバンク
- 脚質は不問、展開次第
- 決まり手は差しとまくり、2着はマーク優勢
これら3つのポイントについて、解説を始めます。
バンクの特徴
バンク基礎データは以下のようになっています。
見なし直線距離 | センター部路面傾斜 | 直線部路面傾斜 | ホーム幅員 | バック幅員 | センター幅員 |
50.7m | 31°28′37″ | 3°26′1″ | 11.0m | 10.0m | 9.0m |
久留米競輪場の直線の長さはおよそ50メートル程度と平均的な長さです。
カントもそこまであるわけではなく、平均的な、クセのないバンクです。
ただ、3コーナーはスライスするという地元選手の声もあり、まくるなら早めにまくりたいというのがあるようです。(出典:久留米競輪場|Kドリームス)
風が吹いて重いとか、天候の影響を受けやすいということもなく、あとはどこで仕掛けるのか、それを把握しているかどうかにかかっています。
裏を返すと、クセがない分、特定の選手に有利に働く、不利に働くということがないので、調子などが左右することも考えられます。
脚質
次に、久留米競輪場の3着までの脚質についてご紹介します。
着順 | 逃 | 追 | 両 |
1着 | 39% | 39% | 22% |
2着 | 26% | 57% | 17% |
3着 | 20% | 63% | 17% |
参照:KEIRIN.JP
「逃」脚質も「追」脚質も同じような数字が残されており、脚質の有利不利はデータを見る限りでは考えにくいです。
ただ、それは1着の話であり、2着、3着になれば「追」脚質が優勢です。2019年になって最高の上がりタイムが更新されており、脚力があってスピードを出せる選手が来ると、展開を差し置いて1着になれるかもしれませんが、基本的には展開次第。
どの選手が逃げるのか、まくりを決めるのか、差しやマークに徹するのは誰か、これを出走表を見て判断し、展開を検討していくのが面白いでしょう。
決まり手は差しとまくり、2着はマーク優勢
1着の決まり手 | ||
逃げ 19% | まくり 32% | 差し 49% |
出典:keirin.jp
この数値は他の400バンクと変わらず、小倉競輪場の1着の決まり手とほぼ同じです。
400バンクにおける予想の組み立て方がここでも通用しますが、基本的には差しとまくりを考えるのがいいでしょう。
2着の決まり手 | |||
逃げ 17% | まくり 17% | 差し 28% | マーク 38% |
出典:keirin.jp
先ほどの小倉競輪場のデータとこちらもあまり変わりませんが、若干マークと差しの差が詰まっているため、わずかにマーク優勢という感覚を持つべきでしょう。
直線が小倉競輪場と比べると8メートル短い分、差しの数字が若干よくなり、マークの数字を落としたと考えるのが妥当です。
ただ、これらの数字は、すべてのレースを対象にしたもので、クラス別で分けると変化します。これは後ほど解説します。
久留米競輪場のレース成績から傾向を読み解く
2020年1月30日~2月1日に開催されたFIIガルコレTR 駅前不動産カップにおける1着と2着の決まり手回数を表にまとめてみました。
日付 着 | 逃げ | まくり | 差し | マーク |
1月30日 1着 | 3 | 4 | 5 | |
1月30日 2着 | 2 | 1 | 4 | 5 |
1月31日 1着 | 4 | 5 | 3 | |
1月31日 2着 | 0 | 4 | 3 | 5 |
2月1日 1着 | 3 | 2 | 7 | |
2月1日 2着 | 3 | 4 | 3 | 2 |
参照:KEIRIN.JP
先ほどデータで示したような形に近い結果がこの3日間で出されました。逃げが2着に残らない時もありましたが、一定の数字は残しています。
逃げが強い時は6レース逃げ決着、そのうちの5レースがマークという結果になるなど、このあたりを参考にしていきましょう。
決勝は基本的に逃げが残しにくい
決勝だけで絞ってみると、逃げは12%まで落ち、まくりが41%に跳ね上がります。(出典:KEIRIN.JP)
12月に開催されたA級チャレンジ決勝、A級決勝では、いずれもまくりの選手が勝ち、2着も差しという結果に。特にA級決勝は2車単で2万車券、3連単で8万車券と荒れました。
全体のまくりの平均が32%だったことを考えれば、決勝だけで10ポイント近く高くなるわけです。2着に関してもまくりが台頭し、逃げの肩身は狭いです。
レースグレードをF1やF2、G3に分けても、クラスをA級、S級に分けても、どの場合でも逃げが不利です。実力差が詰まる状況下では、逃げるのは至難の業という考えがいいでしょう。
ちなみに準決勝は平均とさほど変わりません。
FⅡの予選はまくりより断然逃げ
決勝だけやたら逃げが残らない、しかもクラスもレースグレードも関係ない、では、どこで逃げ有利になるのか。
1着の決まり手で逃げが一気に増えるのはFⅡの予選です。実に28%が逃げ、まくりを上回ります。(出典:KEIRIN.JP)
1月30日に行われたFⅡの予選では、A級チャレンジ予選で5レース中3レースが逃げでした。それ以外では逃げは決まっておらず、A級チャレンジ予選が狙い目となりそうです。
S級予選でも逃げの数値が高くなる傾向が見られましたが、しかし、A級ほどではありません。
久留米競輪場で勝つためのコツ
以上の分析などから、久留米競輪場で勝つためのコツは以下の4点です。
- クセは少ないが、3コーナーでスライスすることも
- データ上から脚質の有利不利はない
- 決勝になるとまくりが効果的
- FⅡ予選やA級予選では逃げが決まりやすい
クセはないながらも、特定の条件になると逃げやすくなる久留米競輪場。レース番号の早いところで逃げを狙っていくのがいいかもしれません。
様々なファクターやデータを参考に、予想を行っていきましょう。
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