2019年に日本選手権競輪が開催されるなど、特別競輪の実績が豊富な松戸競輪場。サンサンバンクの1つとされ、傾向が分かりやすいことでも知られています。
今回は、松戸競輪場をこよなく愛する筆者が、
- 松戸競輪場のバンクの特徴
- 脚質や決まり手の傾向
- 松戸競輪でありがちなレース展開
などを、ご紹介します。データや実績を見ながら分析いたしますので、最後まで読み進めてください。
松戸競輪場の特徴まとめ
2017年にバンクの改修工事が行われている松戸競輪場、バンクの特徴をつかむことで、その傾向や対策がおのずと分かるものです。松戸競輪場の特徴を3つのポイントでまとめました。
- 直線が短く、カントが浅い
- 脚質は逃げ有利
- 決まり手は逃げか捲り、2着はマーク
上記3つの特徴を1つずつ解説してまいります。
直線が短く、カントが浅い
松戸競輪場は1周が333メートルと短く、サンサンバンクとも呼ばれています。4コーナー出口から決勝戦までの見なし直線は、38.2メートルと、全国の競輪場の中では3番目に短い距離となっています。距離が短いため、直線がないような錯覚を覚える人もいるんだとか。
もう1つ、カントが浅いのも特徴です。カントは、バンクの傾斜を指しますが、これがきつければ、スピードに乗ってまくりも狙いやすくなります。しかし、松戸競輪場のカントは、1周500メートルの熊本競輪場と同じ緩さで、サンサンバンクの中ではかなり緩いです。
直線が短く、ただでさえ逃げが決まりやすいのに、カントが浅いことにより、まくりが決まりにくい、このあたりを予想する際に頭に入れておきましょう。
脚質は逃げ有利
3パターンある脚質、逃げ、追い、両。圧倒的に有利なのは逃げです。直線が短く、カントも浅いわけですから、後ろから様子を伺っているようでは、あっという間にゴールを迎えます。
もう1つ松戸競輪場の特徴として、バンクの外周を透明板で塞いでいることが挙げられます。場合によっては、常に向かい風が吹く感覚になるなど、スピードが乗りにくい競輪場です。
そのため、逃げの脚質が有利になります。選手たちも当然理解しているため、激しい先行争いがラスト1周で見られます。
決まり手は逃げか捲り、2着はマーク
1着の決まり手 | ||
逃げ 23% | まくり 40% | 差し 37% |
出典:松戸競輪ホームページ
逃げ有利の数字には見えない方も多いでしょうが、20%もあれば逃げ有利といっていい数字です。
まくりが多いのは、逃げ同士でやり合う中、その漁夫の利を得るような形で抜け出せるためです。これもサンサンバンクならではの傾向と言えます。
2着の決まり手 | |||
逃げ 19% | まくり 17% | 差し 20% | マーク 44% |
出典:松戸競輪ホームページ
2着の決まり手で圧倒的に多いのはマークです。競輪ではラインを組み、途中までは1つのチームとしてレースに臨み、最後の1周だけ個人戦のような形になります。前で走っていた選手が勝ち、後ろで頑張った選手が2着という分かりやすい構図です。
特にA級のレースでは、選手同士の力量差があるため、自力の選手が残りやすく、よりマークが台頭しやすい形になります。ライン同士での決着だと配当がつきにくい一方、別々のライン同士での決着となると筋違いとなり、配当が跳ねるのも特徴的です。
ちなみに松戸競輪場で行われた過去のビッグレースを見ると、逃げは残らず、逃げの番手が勝ちやすい傾向にあり、マークはあまり残りません。
松戸競輪場のレース成績から傾向を読み解く
松戸競輪場の大まかな特徴が明らかになったところで、次はレースの成績から傾向を探っていきます。
- S級以上のレースになると、まくりが決まりやすい
- 動きが少なければ少ないほど、逃げが残りやすい
- コース改修で傾向が変わり気味
この2つのポイントに注意して、松戸競輪場で大勝を狙いましょう。
S級以上のレースになればまくりが決まりやすい
10月5日、松戸競輪場で行われた、S級選手しか出ない開設記念をチェックすると、12レース中、まくりで決まったのはなんと9レースでした。逃げは2レース、差しは1レースと明らかに傾向が異なります。2着の決まり手がマークだったレースは、8レースあり、こちらは傾向よりもさらに強く出ていました。
元々松戸競輪場はまくりも決まりやすい競輪場ですが、これは逃げを主張する同士が主張し合うことで起こります。先行有利は選手も理解しており、ラインの先頭は、ラインを組む2~3人の選手の中で一番の若手です。同郷の先輩が後ろにいる中で、消極的なレースをすれば怒られるでしょう。だからこそ、仕掛けようとします。
A級では力量差がある分、逃げを主張しようにもすぐに決着がついてそのまま終わってしまうこともあります。S級はどの選手にもチャンスがあるほど力量差が少なくなる分、色気を持って逃げを主張し、両者が沈んでしまうことがあります。
これだけ極端な違いがあれば、S級やG2、G1などビッグレースの際にはそれだけ激しい駆け引きが繰り返されるのは間違いなく、展開を読むことが非常に重要です。
動きが少なければ逃げが残りやすい
サンサンバンクは物理的に直線が短いため、逃げる選手からすれば、なんとか粘れそうだと思えます。競輪はどの選手にも優勝のチャンスがある一方、準決勝や決勝に残ると、勝ちたい、決勝に進みたいという思いが強く出て、仕掛けきれず、単調な流れで終わることもあります。
先行が激しくなれば体力をそこで使い、まくられた時に対処がしにくいです。だからこそ、まくりが決まりやすいわけですが、基本的にインが強く、まくるにはパワーが必要な前有利の松戸競輪場。単調な流れで、逃げを楽させれば逃げが有利になるのは当然です。
先ほどの10月5日の開設記念は初日で、全てのレースが予選でした。2日目は一般競走が混じり、仕掛けてでも1着を獲りに行くという雰囲気は若干落ちます。すると、流れが落ち着き、逃げがそれなりに決まるようになるというわけです。
傾向としては準決勝や決勝が単調な流れになりやすく、より逃げが残るはずです。
あとは、勝負に出るならどんなことでもするという、ガッツあふれる選手がいるかいないか、これも大きなポイントです。落車も失格も多く、それだけポジション取りが重要であることも知っておきましょう。
コース改修で傾向が変わる?
ただ、松戸競輪場では、2016年から2017年にかけてコースの全面改修が行われ、以前より軽さが出てきたという選手の声もあるようです。25年ぶりの大改修で、心理的にまくりも狙えそうな印象を持つ選手が増えてもおかしくありません。
1月5日FⅡの初日は逃げが3回、2日目は2回、最終日も2回と逃げが残らず、まくりが決まるようになっています。2着のマーク出現率の高さは変わっていませんが、A級同士の対戦でも逃げが今までのように決まるかどうか不透明で、カントの浅さ、直線の短さこそ変わらないものの、常に向かい風という選手の印象に変化が生じている可能性はあり、より風の強さなどが問われることになりそうです。
松戸競輪場で勝つためのコツ
はっきりとした傾向が出ている一方、翌日には傾向が大きく変わることがあります。まくりが9レースも決まった10月5日の初日、2日目は予選とは関係ない5つのレースのうち、4レースが逃げでした。風が吹けばバンクの中に風が流れるため、常に向かい風のような状態になるなど、まるで生きているかのように状況は刻々と変化します。
逃げの選手の力量、コンディション、オッズの流れなど、しっかりと判断した上で、勝ちを狙っていきましょう。あとはマークがこれだけ残りやすいということはできるだけラインで購入し、高配当を狙うなら筋違いにこだわるのも1つのやり方です。このようなことを踏まえ、頭を悩ませながら松戸競輪場の予想を進めましょう。
口コミ投稿