競輪のギャンブルとしての遊び方は、レースの順位を予想し、その券を買って的中時に配当金を受け取るというもの。
競馬や競艇と同じですが、買い方が7種類あり、「3連単」「ワイド」などの名称のため、競馬も経験したことのない初心者の方は意味が分からず、どれを買えばよいのか戸惑いがちです。
また、競馬経験者の方も、競輪には「単勝」が無かったりと、細かな違いに迷われる方もいらっしゃるでしょう。本記事ではそんな初心者の方たちに、競輪における車券の種類から、おすすめの買い方を紹介していきます。
競馬と競輪の異なる点
一般的な認知度は競馬の方が高いですが、実は競輪の方がレース結果の予想がしやすく、初心者にとっての敷居は低いというメリットがあります。競馬と競輪では明確に違う点が3つありますので、一つずつ見ていきましょう。
1レースに参加する選手が少ない
競馬では若駒ステークスなど1レースの出走が5頭で行われる場合もありますが、G1などの盛り上がるレースはほぼ16~18頭が参加。
対して、競輪は通常1レースへ9人の選手が参加します。(「9車立て」といいます。)
また、ミッドナイト競輪といって、およそ21~23時に行われるレースはへの参加選手は7人です。(こちらは「7車立て」といいます。)
予想の対象が少ない競輪の方が的中確率が高いことが分かります。
買える券の種類が異なる
競馬は10種類、競輪は7種類と買える券の種類が異なりますが、最も違うのは1位だけを予想する「単勝」や、3位までに入る1頭を当てる「複勝」が競輪には無いことでしょう。
過去には競輪にも単勝と複勝が売られていた時期があったのですが、買う人が少なく、売り上げよりも経費がかかってしまったため廃止になってしまいました。
これに関して、初心者にとって買いやすさという点では競馬の方が有利で、競輪界でも復活させようという声もあがってきているようです。
ただし、競輪の特色であるチーム戦を中心としたレース展開から考えると、購入する人が少なく、廃止になったのも自然な流れで、これからお話しする買い方をすれば、心配にはおよびません。
前半はチーム戦(ライン)、最終コーナーからは個人戦
競馬は16頭前後の全員による個人戦のため、初心者が独自の予想を立てるためには各出走馬と騎手のデータを覚えることが必要となり敷居が高いものとなっています。
対して、競輪は参加人数の多い9車立てレースでも、最終コーナー付近までは3つのチーム(これを「ライン」といいます)に分かれて隊列を組み、ポジション取りの争いを行うチーム戦となります。
本記事で最初におすすめする買い方「ワイド」ではどのラインが終盤に優位に立つかという予想を立てれば買うことができ、必要な情報は3つのラインの強さだけです。
車券の種類(賭式)は全部で7種類
競輪で買える車券は全部で7種類で、それほど多くを覚える必要はありません。さらに7種類の中でも共通する部分があり、大別すると下記の3通りです。
- 単勝式:着順どおりに当てる(順位も当てないとハズレ)
- 複勝式:順不同で着順を当てる(順位は逆でもアタリ)
- ワイド:順不同で3着までに入る選手のうち2人を当てる(予想した2人が3着までに入ればアタリ)
以上の3通りの中で、「単勝式」と「複勝式」の2つがさらに下記の3通りに分かれます。
- 3着までの選手を当てる
- 2着までの選手を当てる
- 2着までの枠を当てる
以上で2×3+1=7種類の車券となるわけですね。
まず下記表でそれぞれの車券についての的中確率と平均配当金額を見てみましょう。
※表中の的中確率は各選手の実力差を考慮せず、「何通りの買い方があるか」を分母にしています。
※平均配当金額はあくまで目安であり、実際のレースの配当金額は売れた車券の多さにより変動し、極端な場合は表記載の100倍になったり100分の1になったりします。
9車立てレースの的中確率と配当金の表 | ||
券種 | 的中確率 | 平均配当金 |
3連単 | 1/504 | 33000円 |
3連複 | 1/84 | 5000円 |
2車単 | 1/72 | 4500円 |
2連複 | 1/36 | 2000円 |
2枠単 | 1/33 | 1000円 |
2枠複 | 1/18 | 1000円 |
ワイド | 1/12 | 700円 |
※7車立てレースの平均配当金はまだ歴史が浅いため算出が難しいですが、9車立てレースの8割程度になるケースがおおくなっています。
7車立てレースの的中確率の表 | ||
券種 | 的中確率 | |
3連単 | 1/210 | |
3連複 | 1/35 | |
2車単 | 1/42 | 4500円 |
2連複 | 1/21 | |
2枠単 | 販売無し | |
2枠複 | 販売無し | |
ワイド | 1/7 |
上から順に的中が難しい反面、高配当が期待できる買い方となっていますね。
それでは各車券の特徴を詳しく見て行きましょう。
3連単
1着2着3着になる選手を完全に当てる買い方。
3着までの選手をすべて当てたとしても、順位が当たらなければハズレとなってしまいます。
的中させるのは非常に難しいですが、平均配当倍率が300倍(100円の車券が3万円で払い戻される!)となっており、儲けも群を抜いた券種です。
3連複
1着~3着に入る選手を当てる買い方。
3着までの選手をすべて当てれば、その中の順位は関係なくアタリとなります。着順は関係ないため、上記の3連単よりも的中確率は格段に上がります。
2車単
1着2着になる選手を完全に当てる買い方。
2着までの選手をすべて当てたとしても、順位が当たらなければハズレとなってしまいます。予想すべき着順が上記2つよりも少ないですが、3連複と的中確率はあまり変わりません。
2車複
1着、2着に入る選手を当てる買い方。
2着までの選手をすべて当てれば、その中の順位は関係なくアタリとなります。順位は関係ないため、的中確率は単純に2車単の倍です。
2枠単
1着2着になる選手の所属する枠を完全に当てる買い方。2着までの選手枠をすべて当てたとしても、順位が当たらなければハズレとなってしまいます。
上記の2車複と確率も配当もそれほど変わらないため、予想を組み立てる際には考慮しないのが一般的となっています。
自分の予想ができた後、配当倍率を見て選択肢に入れるかどうかの補助的な買い方です。
2枠複
1着、2着に入る選手の所属する枠を当てる買い方。2着までの選手枠をすべて当てれば、その中の順位は関係なくアタリとなります。
こちらは的中確率が2枠単の倍、配当金が半分となるほかは、2枠単と同じように補助的なものという捉え方で大丈夫です。
ワイド
1着~3着に入る選手のうち、2人を当てる買い方。予想した2人が、ともに3着以内に入ればアタリとなります。
前述のラインの予想ができれば買うことができるので、初めて買う方にはおすすめの買い方です。
初心者におすすめの買い方
個人的には、初めて競輪の車券を購入する方は7車立てのレースで「ワイド」を1~2枚か「2車複」を2~3枚買うことで、競輪のレース展開に慣れていくことをおすすめします。
予想に必要なデータは競輪場やインターネットにて無料で入手できる出走表に書かれていて、これからお話しする流れで車券を買うことで、初心者から無理なく予想の腕前を上げることができるでしょう。
予想のしやすい7車立てから始める
すでにお話ししたように、9車立てが3ラインで展開することが多いのに対し、7車立てはさらに少ない2ラインになることが多く、2つのうちどちらのラインが強そうかという予想だけで済みます。
また、ミッドナイト競輪は周回数が少なめに設定されているため、1つのライン内の選手で2着までが決まることが多く、予想がさらに立てやすい傾向があります。
まずは平日でも仕事終わりから楽しめ、予想の立てやすい7車立てのミッドナイト競輪から始めることをおすすめします。
まずは的中しやすいワイド車券から始める
ワイドはどのラインが強いかという予想を立てるだけで買うことができ、的中確率も一番高くなっています。
その分、配当は低くいですが、低い予算で楽しめ少ないながらも儲けることもできるため、まずはワイドを1~2点だけ買ってみましょう。
予想に自信がついてきたら2車複
ワイドでレース展開などに慣れてきて、的中率が8割程度になってきたら、最終コーナー付近から始まる同ライン内での競争に予想を進め、2車複も買ってみましょう。
この段階から1点買いで的中させるのが難しくなってきますが、同時に配当も高くなり、2~3点に買い目を広げても儲けが狙えるため、買い目を増やしてみましょう。慣れてくれば2~3点買いのままでも5~6割程度の的中率を狙えるため、投資金額をおさえてできるだけ多くのレース数を体験して慣れるためにも買い目はあまり増やし過ぎなようにしましょう。
トリガミに注意
ワイドから2車複に買い目を変える際、買う点数を広げ過ぎなようにお話しをした理由が、「トリガミ」というものです。
トリガミとは、1レースで複数枚の車券を買った結果、的中することが出来たものの配当金よりも投資金が多くなってしまい、結果的に赤字になることをいいます。
具体例として、買い手を広げて8点を各100円で買った場合を考えてみましょう。そのレースで的中した車券の配当倍率が5倍だった場合、払い出し金は500円となります。
予想が的中したにもかかわらず、投資金額は800円だったため、収支としては300円の損となってしまい、この状況がトリガミです。トリガミを避ける方法として「買い増し」「買い目を絞る」という2種類がありますが、先ほどお話した通り、「買い目を絞る」(買い目を増やし過ぎない)方法にしましょう。
「買い増し」とは低配当の車券を1枚多く買う方法です。この場合、投資金額が増えてしまいますし、買い目も広げやすくなり予想が甘くなってしまうため、なかなか上達しない原因ともなってしまいます。
対して「買い目を絞る」方法では低配当の車券を買わないようにします。もちろん買う車券が減るため、的中の確率が下がってしまいますが、そのぶんシビアに予想をする必要があるので上達も見込め、投資金額もおさえることができます。
ギャンブルで大事なことは数多く的中させることよりも、結果的に儲けることなので、投資金額をおさえて予想の精度を上げられる「買い目を絞る」方法をおすすめします。
まずは先行の選手を覚えよう!
2車複で慣れるうちに先行・追い込み・自在などの脚質で、それぞれ強い選手など自然と覚えていくことが出来ます。
「あれ、この選手は良く勝ってるな」とか「この選手は最後に抜いて勝つことが多いな」と思うようになってきたら、いよいよ本格的に各選手の特徴を覚え、予想の精度を上げて行きましょう。
選手を覚えるといっても、約2000人以上いるすべての選手をいきなり把握する必要はありません。強い(勝率の高い)選手20名を目安に各選手の特徴を覚えるところから始めれば十分です。
その中でも、特に「先行」と言われる脚質の選手を重点的に覚えることで、強いラインを予想しやすくなり、的中確率を上げることが期待できます。
次はマークの選手を覚えよう!
「先行」の強い選手を覚えて、2車複では物足りなくなってきたら、次に脚質が「マーク」の選手を覚えることをおすすめします。
おすすめする理由は、競輪は基本的に終盤直前までは「ライン」というチーム戦でレースが展開されると冒頭でお話しましたが、そのラインを先導するのが「先行」選手、他のラインが割り込んでくるのを守り、自分のラインの良いポジションをガードするのが「マーク」選手であるためです。
そのキーマンとなる「先行」と「マーク」の2選手が分かれば強いラインの予想がさらにしやすくなり、着実に予想の腕前をあげることができます。
ここまで来たら、2車単や3連複、さらに9車立てのレースにも挑戦してみましょう。ワイドや2車複に比べ、的中確率も低くなる半面、配当金も高くなるので買い目を広げる必要が出てきますが、トリガミも発生しにくくなります。
投資金額は増えてしまいますが、それに見合った高配当という魅力もあり、だんだんとギャンブルの醍醐味が深くなってきます。
2車単と3連複は確率・平均配当倍率ともにほぼ同じため、自分が得意そうだと感じたものを選んで構いません。レースによって買う券種を買えても良いでしょう。
そして残る券種は3連単となります。こちらは前記の表の通り、9車立ての場合は的中率が1/504と低い反面、平均配当金は3万円(100円が3万円に!)と的中した時の儲けと喜びも最も大きい、競輪の醍醐味と言える券種です。
今までの券種よりも買い目をさらに広げる必要が出てきますが、的中時の高揚感と得られる配当金は群を抜いています。
今まで紹介した買い方で、現状の買い方に慣れてきたら、一つ上の買い方を買い足してみる、ということを繰り返し、徐々にステップアップしていけば、「ギャンブルの王様」と称されることもある競輪の魅力を知ることができるでしょう。
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